音楽の話あれこれ



音楽に関して気づいたこと、考えたことなどを書いていきます。

9.何を楽しむ?
8.「7:3」
7.あなたに合った演奏  あなたの個性を生かした演奏とは
6.才能ってなんだ?
5.愛ってなんだ?
4.文化の誕生
3.お隣さんとの違い。
2.ひたすら弾く時期
1.やっぱ集中力?

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9.何を楽しむ?

ブッタとシッタカブッタという本を知っていますか?
これの第3集にこんな話がでてきます。

「シッタカブッタ」は幸福を探しに何年も歩いていたが
歩いても歩いても見つからなかった。

シッタカブッタは休んで考えた。

シッタカブッタは探すのをやめて、歩くことを楽しみ始めた。

幸福は歩くこと、そのものにあった。」


ピアノも同じこと。

「上手に弾くこと、ではなく、弾くこと自体を楽しめれば、

いつでも楽しめる。」

上達するために弾く時間と、楽しむために弾く時間と

分けてみるのも、いいかもよ。


つらいときにお薦め↓

ブッタとシッタカブッタ・シリーズ


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8. 「7:3」

気功では色々な動き、ポーズをするのですが、意識は
体の内側が7、体の外側、つまり手足の動きなどの意識
が3、という割合にするのがよいとされます。

気功の先生が、ある文筆家と話をしたときに、そのことを
いうと、その文筆家は「文章と同じですね。」と答えたそう
です。つまり言葉に表しているのは30%だけなのですね。

さて、音楽はどうでしょう。

音になっているのは30%だけ。
あとの70%は音にならない。
けれどそれは確かに表現されている。
それをダイレクトに感じたくてライブに行くんだな。

音にならない何かをたくさん持っている、表現できる
ミュージシャンはとても魅力的だ。

僕ももっと言葉も音も大事に使わなければ。


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7.あなたに合った演奏  あなたの個性を生かした演奏とは


初心者の多くの人にとって弾きやすいはずの120−140のテンポで
全然合わない生徒がいた。
このテンポでできないのは困るので、しばらくその範囲でやらせて
いた。結局走ってしまうことが多いのでテンポを上げてみた。
テンポが160ぐらいになったらうまく合うようになり、テンポ200を
超えてもとても気持ちよさそうに演奏していた。
いやあ、 ビックリ!
ちなみに僕は速いテンポを聴くのは好きだけれども、弾くのは
とても苦手で、かなり遅いテンポが好きです。
あなたにとっても、弾きやすいテンポというものがあるでしょう。
探してみよう。

僕は、強いてあげればバド・パウエルや、辛島文雄のように弾き
たかったし、時にはミシェル・カミロのように、あるいは板橋文夫
のように弾きたかった時もあった。皆豪腕の持ち主ばかりである。
残念ながら僕の腕は全く華奢で、その結果手首と肘を壊した。
今僕は、僕のこの華奢な腕で弾ける範囲の中で自分の音楽を
作っている。でも結果として、ようやく本当に素のままの自分の
音楽に向かっているという気もする。

ちょっと前に話題になった「バカの壁」でも個性とは何なのか
という話があった。それによると個性とは脳にあるのではなく
生まれ持った体にのみあるという話だ。
体にのみ、とは全然思わないのだが、この体でできる範囲内
でしか弾けないということをつくづく思い知らされた今は、それも
理解しておかなければいけないと思う。  遅い! (笑)

みなさんもぜひ、自分の体と相談して、自分の呼吸を感じながら、
そして、これまでの人生と、今の日々を想いながら、自分の音楽
を見つけてみてください。

でも自分だけじゃないよ。

演奏する曲の個性+ジャズという音楽の個性+ピアノという楽器の個性
+自分の個性+α


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6.才能ってなんだ?

某先生の言葉

 「私に才能がありますか」だって?

  一日8時間、10年間練習してから聞きに来なさい。

ガンジーさん(http://www.1101.com/ganji_san/index.html)より
・才能
http://www.1101.com/ganji_san/2001-10-26.html


・才能とは何でしょう?
http://www.onyx.dti.ne.jp/~sultan/faq09.html


上原ひろみ「与えられた環境を200%楽しむことだけに
関しては才能があると思います!」


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5.プレーヤーにとっての愛

愛ってなんだ?
これが最後だと思ってプレーすることだ。

       −マイケル・ジョーダン


できるなら、これが最後の機会だと思って聴いて欲しい。
僕はいつも今日が最後だと思って演奏している。
今こうして生きていて、楽器が弾けることを、当たり前の
ことと思わないで欲しい。

       −キース・ジャレット


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4.文化の誕生

僕が中学一年生のときに通っていた学校の陸上部は、何人もの選手が
全国大会までいく活躍をしていました。もちろん本人、指導者の努力は
大変なものだったと思いますが、運動場が狭く、野球部もサッカー部も
なかったから、運動能力のすぐれた人がたくさん集まってきていたんで
す。

ジャズ史を見ても、多くの一流ミュージシャンが、ある同じ時代の同じ
場所から生まれています。きっとそれはどんな芸術でもスポーツでもよ
くあることですよね。

今はアメリカのポピュラーミュージックだけでも、色々なジャンルが
あり、ミュージシャンはそれぞれ自分の好きなものをやることができる
から、ジャズをやる人は比較的少ないと思います。しかもちょっと有名
になってくると、すぐに全米ツアー、世界ツアーとなってしまうから、
才能をぶつけあうことが少なく、それだけのせいではないでしょうが、
なかなか新たな発展がみられません。

どんな芸術も広まっていくにつれ、進化したり、混ざり合ったり、
表現分野が増え、活動場所も広まっていくにしたがって、何かが
薄まってしまうのは仕方のないことかな。
もちろんその代わり、今日もどこかで才能がぶつかり合って、何か
新しい文化が生まれているに違いありません。


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3.お隣さんとの違い。

日韓音楽祭で両国の太鼓を中心とする音楽を聴いてきました。
ほとんどの曲が共演で、太鼓以外にも、歌舞伎の音楽と韓国舞踊を
あわせてみたり、ソーラン節と韓国の舟歌をミックスした曲を作っ
てみたり、とても意欲的なプログラムに感じます。

似ているところも確かにたくさんあったんですけど、聴こえてくる
音楽そのものも、もちろん違うし、演奏の仕方、体の使い方から、
音楽の位置づけまで根本的な部分からずいぶん違うんだなあと感じ
ました。すぐとなりの国なのにね。

日本の演奏はなんだか神聖なもの。凄いもので近寄りがたいもの。
韓国の演奏は楽しむもの。みんなで楽しもうと言ってるみたい。

でも大きなホールで、演奏会として聴くと、やっぱでっかい和太鼓
の低音の魅力に惹かれてしまうんだなあ。

さて、日韓の音楽の大きな違いのひとつは、足の使い方にあります。
日本の太鼓は足を踏ん張って下半身のエネルギーで叩いてる感じ。
座っていても体は必ず正面をむいて、ゆれたりひねったりはしない。

韓国の太鼓は、踊りながらたたいているか、座ってたたいているか、
どちらかで足を踏ん張るということがない。足はリズムをとるために
使っていて、太鼓は上半身のひねりでたたいている。

伝統音楽からのイメージでいえば、韓国はやっぱり、テコンドー、
サッカー(サッカーは韓国の国技だったと思います)だし、日本は
相撲、野球っていう流れが連想できました。

音楽もスポーツも流れがかわってきている昨今、(いつもか?)
これからはどうなっていくんだろう。


追加

先日テレビで韓国の人たちが「釜山港へ帰れ」を歌っていたのですが、
歌ってるおばちゃんたち、なんとみんな2拍4拍で手拍子していました。
びっくりです。
日本人のおばちゃんなら間違いなく1拍3拍ですからね。
同じような曲調でもノリ方が違うんですね。


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2.ひたすら弾く時期


新しい生徒が入ってきたとき、「お、うまいすぐ弾けるように
なるな」と思うことがある。僕より上手くなれるはず、と思う
こともある。が、なってはくれない。
元々すごい上手いような人がきちゃった場合はもちろん別だが。

やっぱりそれに賭けるというか、まあ、そんな思いつめなくても、
ひたすらそれに打ち込む事ができるか、そういう時期をつくれる
かどうか、っていうのはとても大きい。

プロでやってる人もほとんど、大学生くらいからジャズをはじめ
て、4年間授業そっちのけで一日中セッションに明け暮れて、
そのままプロになっちゃいます。
大学出た後で1日中セッションに明け暮れていられるなんて人は
そうそういないし。せめて1年間そういう時期があれば・・・。

何が言いたいかって?
いやあ、僕より上手くなれる可能性を持った人はごろごろいる
のに、皆忙しくて全然練習できないって言ってるからもったい
ないなあ、と思って。

そういえば、「幼稚園の頃は神童って呼ばれてた」って子が
小学生の4年生くらいのときに来た。確かにめぐまれた体と柔ら
かい指の動きがすばらしかった。
今からジャズをやったら、すごいプレーヤーになるに違いない
と思ったが、中学受験とやらでやめてしまった。中学2年くらい
で、また来てくれたが、もう譜面もコードもまるで読めなく
なっていたし、弾き方もおぼつかない。また学校が忙しいと
いって来なくなってしまった。

今、僕が一番期待している生徒も、学校を卒業してから昼も
夜も仕事で全然練習できないようだ。
せめて後1年早く来ていたらなあと思わずにはいられない。
でも、頑張れ。


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1.やっぱ集中力?

数学オリンピックで、2年続けて金メダル、銀メダルをとった人が、
東大数学科をでた後ジャズピアニストになったそうだ。
すごいよねえ。あんまり凄すぎると笑っちゃう。

(ほら、たとえばミシェル・カミロとかオスカーピーターソンの
 恐ろしく早い演奏聴いているときとかにないですか?)

天は二物を与えずってだれが言ったの?
一体どういう時間の使い方をしてるんだろう。

でももしかしたら、同じものが生かされてるのかもしれないね。

集中力+好奇心=ひらめき  どう?


                         Swingy

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