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★コードの学習手順
下の方で、それぞれについて丁寧に説明しますので、さらっと見ておいてください。
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■1) 基本3和音を覚えよう!
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『コードは、メジャースケールを基準に考えます。』
メジャーコードでも、マイナーコードでも、すべてメジャースケールを基準に考えます。
メジャースケール、(たとえば、ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ)の7つの音に、
1,2,3,4,5,6,7と番号をふります。
ニ長調だと、レ,ミ,#ファ,ソ,ラ,シ,#ドですが、これも、メジャースケールなので、
レから、1,2,3,4,5,6,7となります。
メジャースケールの音階はすべて、1,2,3,4,5,6,7とします。
これは公式のようなものです。
メイジャーコード(長三和音) はメジャースケールの1,3,5.
メイジャーコード(1,3,5)の真ん中の音を半音下げると、マイナーコード(1,b3,5)
◆楽譜とともに詳しく書いた画像をアップしますので、見られる方はご覧ください。
理解したら、覚えましょう!
まずメジャーコードを
C F Bb Eb Ab Db Gb B E A D Gの順で
パッと弾けるように練習しましょう。全然パッといかないときは、
二つずつを繰り返したり、4つずつくらいで繰り返すようにすると
覚えやすいです。
次に、マイナーコードを
Cm Fm Bbm Ebm G#m C#m F#m Bm
Em Am Dm Gmの順でパッと弾けるように。
続いてディミニッシュを
Cdim Fdim A#dim D#dim G#dim C#dim F#dim
Bdim Edim Adim Ddim Gdimの順で。
それぞれ、ぱっと弾けるようにやりましょう。
GbがF#に変わっているのは、Gbmだと音符にしたときに
ダブルフラットとかがでてきてややこしいからです。
Cはもともとドミソですね。これを基本形といいます。
それぞれ転回形になってもわかりますか?
ミソドと弾く場合これを第一転回形といい、
同じくソドミと弾く場合を、第二転回形といいます。
Major、Minor、Diminishそれぞれ転回形も覚えましょう。
Fの第二転回形は? ドファラ
Bbの第一転回形は?
Emの第二転回形は?
G#m第一転回形は?
Adimの第二転回形は?
D#dimの第一転回形は?
こんな質問にもさっと答えられるように
<Stride奏法>
ドミソという和音を
1 2 3
ミ
ド ド ド
ソ ソ ソ ソ
ミ ミ
ド ド とか ド
などのように、まず、1拍目に、一番下の「ド」だけ弾いて
そのあと2拍目にミソなど2つ以上に音を重ねて弾きます。
3では和音にミがない代わりに、3拍目にベースがミになって
います。
簡単な順に、1、3,2です。
それぞれのコードで練習して、色んな曲を弾くときに使って
みてください。
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■ 2)コード進行1 (ダイアトニックコード)
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メジャーコード、マイナーコードを覚えたら、次は「コード進行」を覚えよう。
「コード進行」は、コードを単語としたときの文にあたり、主語・述語みたいな
「コードの並べ方」です。
西洋音楽にはメジャーだけでも12個の「調」があり、言い換えると、12個の基準
があることになります。
一つのコード進行について、12個の調それぞれで覚えるのは大変なので、1つ
覚えればそれで理解ができるように、12の調に共通した表し方をします。
公式のようなものですね。
数学では、色々な数字の代わりに、アルファベットで表しますね。
y=axのような公式を覚えて、アルファベットのところに色々な数字を当てはめて
計算しますよね。
ジャズなどポピュラーミュージックでは、数学とは逆に、コードネームに様々な
アルファベットを用い、公式として表すときに、数字を使います。
「コード進行」を学ぶためには「度数(ディグリーネーム)」とそれに沿ったコード
である「ダイアトニック・コード」というものを覚える必要があります。
スケールの音(例えばドレミファソラシド)だけを使ってできるコードを、
スケールに沿って、つまり、ドレミファソラシドの順に並べていったものです。
Cメジャースケールに沿って並べると、ドミソ、レファラ、ミソシ・・・
それをコードで言えば、C、Dm、Emとなります。これをCメジャーの
「ダイアトニックコード」と呼びます。
<NEW! 2012.08.15>
「ダイアトニックコード」がわからないと「コード進行」や「テンション」も正しく
わからないので、とても大事なのですが、これがなかなか手強いのです。
楽譜を使いながら、できるだけ分かりやすく解説を書きました。
画像でご覧下さい。
★メジャー・スケールのダイアトニック・コード表
メジャー・スケールのダイアトニック・コード表(セブンス無し)(13.1.24)
メジャー・スケールのダイアトニック・コード表(セブンス込み)(13.1.18)
★マイナー・スケールのダイアトニック・コード表
まずはナチュラル・マイナース・ケールのものを覚えましょう。
ナチュラル・マイナー・スケールのダイアトニック・コード表(セブンス込み)(13.1.24)
ダイアトニックコードはしっかり理解し、しっかり覚えた方が良いです。
でもわからなかったら、とりあえずとばしてもいいし、わからないままでも
とりあえず弾いておくというのでも良いです。
もし、ダイアトニックコードがしっかり分からなくても、次からのスリーコード、
循環コード、ツー・ファイブ・ワンが何となくでもわかったら、それらを全調で
書き出し覚え、弾けるようにしましょう!
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■ 3)コード進行2 (スリーコードでの、ごく簡単なコード進行)
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<New! 2012.8.15>
スリーコードでの、ごく簡単なコード進行
スリーコード:ダイアトニックコードでの1番目、4番目、5番目のコード。
それぞれ1度、4度、5度という言い方をします。
・1度-5度-1度
Key=Cだと、C G C 。おじぎのときのコード進行ですね。
・1度-4度-5度-1度
Key=Cだと、C F G C 。
クラシックで「カデンツ」と呼ぶ、基本のコード進行。
古いフォークソングやブルース、童謡など、とってもシンプルな曲は、
このスリーコードだけでできている曲も多いよ。
特に西洋音楽にとっては、骨組みとなる大事な三つのコード。
これを全調で覚えよう!
例) Key=B なら B E F#
Key=Bb なら Bb Eb F
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■ 4)7th セブンス・コード
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3和音を覚えたら、4つの音を使う4和音を覚えよう。
4和音にするにはセブンスと呼ばれる音を使うことが多いよ。
2種類のセブン
〜長7度と短7度 = メジャーセブンとセブンス = M7と7
メジャースケール(長音階)の音、ドレミファソラシに数字をつけます。
ドレミファソラシ
123 4 567
そのときのドからシまでの距離が長7度
それより半音短い距離(ドとbシの距離)が短7度。
長7度はM7と書き、メジャーセブンと読みます。 CM7=ドミソ シ
短7度は 7と書き、セブンスと読みます。 C7 =ドミソbシ
わかりましたか?
C +M7=CM7 ド ミ ソ シ
Cm+M7=CmM7 ド bミ ソ シ
C + 7 =C7 ド ミ ソ bシ
Cm+ 7 =Cm7 ドbミ ソ bシ
もう大丈夫ですね。
CM7はCメジャー(ドミソ)に7th(bシ)を
足したものではありません。
C(ドミソ)にM7(メジャー7)を足したものです。
★色々なコード
♪(b5)=(−5) どちらも「フラット・ファイブ」
もしコードに(b5)がついていたら、5度の音を半音下げます。
Cm7・・・・・・ドbミ ソ bシ
Cm7(b5)・・ドbミ bソ bシ
Cm7(−5)も同じ。
♪「(#5)」シャープ・ファイブ
もしコードに(#5)がついていたら、5度の音を半音上げます。
「(#5)」のかわりに「aug」(オーギュメント)や「+」がつくことも
ありますが、同様です。
C7(#5)=C7aug=C+7 ド ミ #ソ bシ
それぞれ
シー・セブン・シャープ・ファイブ
シー・セブン・オーギュメント
と読みます。
「sus4」(サスフォー)
もしコードに「sus4」がついていたら、3度の音を半音上げ、4度にします。
C7 =ド ミ ソ bシ
C7sus4 =ド ファ ソ bシ
♪ 補足 ♪
b(フラット)は音符の前につけますね。
言葉で書くときも、 「bシ」のように書きますが、コードネームの
ときだけ、後に書きます。
例 「Bb」
マイナーは「m」であらわしたり「-」であらわしたりします。
Cm=C- Cm7=C-7 CmM7=C-M7
M7は△7と書いたりします。
文字化けしないかな? 三角に7です。
CM7=C△7 C-M7=C-△7
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■ 5)コード進行3
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<New! 2012.8.15>
コード進行2の続き
・1度 - 6度マイナー - 2度マイナー - 5度7 - 1度
(例) Key=Cだと、C Am Dm G7 C 。
このコードの度数を通常ローマ数字で表します。
(例)1度 - 6度マイナー - 2度マイナー - 5度7 -1度 → I VIm IIm V7 I
曲の出だしは1度ではじまることも多いですが、ジャズスタンダードでは
2度ではじまることも多いです。また曲の途中でも、2度-5度7 -1度と
いう進行が随所にでてきます。
IIm7 V7 I これを「ツー・ファイブ・ワン」と呼びます。
皆、このコード進行をさっと弾けるように練習します。(伴奏、アドリブとも)
その他、教本を見ると、たくさんのコード進行(コードパターン)が出ている
と思います。たいてい、Key=C(ハ長調)で書かれているので、他の調の場合
どういうコード進行になるか書き出し、それも何度も弾いて覚えましょう。
※ 覚えるときのコツ
ドレミや、コードネームを声に出す。
コードをばらして一音ずつ弾く。
(ジャンと弾かず、ドー、ミー、ソー、シーのように一音ずつ。手の形だけで
覚えず、一つ一つの音をしっかり覚える)
メロディにコードがついている一段譜の楽譜も、たくさん売られていますから、
自分の好きな曲がでているものを見つけて、それらをどんどん弾きましょう。
そのときに弾くだけでなく、コード進行を別紙に書き出すなどして、コード
進行自体を良く見れば、勉強したコード進行がたくさんでてくるはずです。
合わせて、度数もつけてみましょう。
そうすれば、そのコード進行の使い方がわかってくるので、自分で曲を作る
ときにも、気に入ったコード進行を使うことができますよ。
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■ 6)テンション・1
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★9th(ナインス)11th(イレブンス)13th(サーティーンス)
C9とか D13とか書いてあって、なんだこりゃって思った人も
多いかと思います。
まず、数字の意味からおさらいしましょうか。
スケールのページにこう書いてありました。
Scaleは曲でよく使われる基本的な音を順番に並べたものです。
(ドレミファソラシドなど)
そしてそれを一個飛ばしにして同時に鳴らすものをコードといいます。
ドレミファソラシドを一個飛ばしにすると、ド ミ ソ シ、さらに一周
すると、ド ミ ソ シ レ ファ ラという順番になりますね。
ドレミファソラシドレミファソラシ ド
123 4 5678910 1112131415
つまり、コードはスケールの1番目の音、3番目の音、5番目の音、7番目の音
9番目の音、11番目の音、13番目の音、という組み合わせなのです。
(15番目はもとのドの音にもどっていますからとくに15番目の音としては
使いません。1番目の音として使います)
でも全部弾いたら、収拾がつかない音ですし、音楽になんの変化もつきません
から、その中からいくつか、メロディーに合うものを選んで、ここはドミソ
ここは、レファラと押さえるわけです。
ドミソでは物足りなければ、ドミソシレと押さえてもいいということです。
ドミソシはCM7で、そこに9を足すときは、CM9と書きます。
レファラドミだったら、Dm7に9を足してあるので、Dm9と書きます。
ここで注意しなければならないのは、CM9とC9の違いです。
CM7とC7の違いを覚えていますか?
★CM7に9を足すと ドミソシレ これがCM9
★C7 に9を足すと ドミソbシレ これがC9
ところで、ジャズで使うメロディーとコードだけの譜面にはあまり
9とか13とか出てこないですよね。
なぜか?
「好きなようにどうぞ」「自分で考えろ」ってことです。
まあ、もう少し詳しく書きますけど(笑)
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★テンションの使い方
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理論書も見てほしいのですが、理論書に、書いてあったりなかったり
する、テンション選びの手順を、僕なりに記しておきます。
1.そのkeyのスケールの音を中心にしつつ、コードごとにスケール、
いわゆる「コード・スケール」を設定。
2.スケールの音の中から、クラシックでも考える「トニック」
「ドミナント」などの機能を妨げない範囲の音を足してみる。
3.コードトーンの半音上は、基本的にNG(ドミナント7thの時
をのぞく)。
4.以上のようにして選んだ音が、聴いてみてよいサウンドがすればOK。
5.メロディに対する伴奏にテンションを加える場合、当然、メロディと
伴奏がうまく合うかどうかをチェックする。
※よいサウンドがするものは、覚えておけば瞬間的に使うことができます。
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■ 7)テンション2 7thコードにはb9、#9、#11、b13も使う。
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7thコード(C7 F7などドミナント・セブンスと呼ばれるタイプ)では
9thを半音下げたb9や半音上げた#9、
あるいは#11、b13などもよく使われます。
m7やM7(Cm7とかCM7)など他の種類のコードでは、b9やb13は普通
使われません。
とりあえず7thのときだけだと思っておいてもいいでしょう。
(#9はマイナーコードの場合3度として、すでに含んでいますから、
#9とはなりません。)
CM7にb9を足して鳴らしてみましょう。いい響きと感じにくいはずです。
では、7thのときはどうか?
え、これもだめ?
いえいえ使い方によって、とてもいい響きになるのです。
★b9を使う場面
C7 G7といったDominant7thコード(注)から、4度上(注)のマイナー系のコードに
進むときのDominant7thコードにて使用。
例 G7−Cm A7−Dm7 D7−GmM7 Bb7−Ebm6 C#7−F#m7(b5)
でのG7やA7、D7、Bb7、C#7でb9を入れるとぐっと良いサウンドになるよ!
(注)Dominant7thコード
アルファベットのあと、#やbはついても良いが、mとかMがつかず、7だけがつくコード。
(注)4度上
メジャースケールで数えて、3つ上の音。はじまりの音も数えるので、4度という。
Gの4度上は、ソの3つ上、「ラ、シ、ド」のド。
度数は始まりの音=ソも含めるので「ソ、ラ、シ、ド」」で4度。
*このときは違います。
Am7−Dm7 始めのコードがDominant7thコードではない。
A7−Bm7 4度上への進行ではない。
★b9を使うときに考えられるスケール
Harmonic Minor Scale Perfect5th Below (スケールのページ参照)
Altered Scale
Combination of Diminished Scale
などです。いずでもb9を含んでいることを確認してください。
*Harmonic Minor Scale Perfect5th Below
C7で使う場合。
ド bレ ミ ファ ソ bラ bシ ド
*Altered Scale
ド bレ bミ ミ bソ bラ bシ ド
♪bレがb9にあたる音ですね。 上記2種では、b13にあたるbラも同時に使うことがよくあります。
左手 ド ミ ソ bシ 右手 bレ bラ (左手のソは省略した方がきれい。)
*Combination of Diminished Scale
ド bレ bミ ミ bファ ソ ラ bシ ド
重複する「ド」を除いても8音ある珍しいスケールです。
ラがナチュラルなので、13はb13ではなく、ナチュラル13になります。
b9とナチュラル13の組み合わせが独特のサウンドをもたらします。
試してみてね!
左手 ド ミ ソ bシ 右手 bレ ラ
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■ 詳しい 他のサイト
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このあたりのことは、これまでに多くの人が色々な研究を積み重ねていて、
広く一般に使われているものもあります。
こちらをご覧ください。
net jazz time
「net jazz time」の「特集ページのバックナンバー」の
「なんちゃってピアニスト(前編)(後編)」
「Be-Bop Study」
「Be-Bop Music」の「Be-Bop Study」の「ピアノでVoicing」
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