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ジャズピアノ弾こうよ!>ジャズピアノとは?>ジャズ、ジャズピアノの特徴

 

◆ジャズピアノの特徴 と 他ジャンルとの比較

 

ジャズピアノに出会った時に感じたのは、

「おお、自由に弾きまくっていいんだ! しかもピアノが主役になれる!」

でもどうやっているのか、さっぱり分からない()

レッスンに通い、必死に頑張って、ずいぶん分かってきた。

ライブをし、指導もしている。

しかし、主役として自由に弾きまくっているという感覚には、まだまだ・・・。

それはともかく、ジャズピアノ、できるだけ分かりやすく説明したいと思います。

 

1 ジャズの特徴 

2 ジャズピアノってクラシックやポピュラーと何が違うの?

 

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◆◆◆ 1 ジャズの特徴 ◆◆◆

 

◆アドリブを中心とした、自由度の高い音楽。

 

◆軽やかにゆれる(Swing)ノリの良い音楽。

 

◆コードネームの使用。しゃれたハーモニーも多い。

 

◆スタンダード曲を覚えれば、初対面の人でもセッションしやすい。

 

◆お互いその場で反応しあう楽しさ、どこに進むかわからないスリルはジャズならでは。

 

 

◆曲    

歌は、「スタンダード」と呼ばれる、アメリカのミュージカル・映画の挿入歌が

多い。他に、アメリカの1970年代ポップスや、ブラジルのボサノヴァもよく歌わ

れ、制限はない。

 

歌なしで楽器だけの演奏(インストルメンタル、略してインスト)ということも

非常に多い。その場合、自分の、あるいは他のミュージシャンの曲や、色々な

有名曲をアレンジして演奏。 

 

◆メロディとアドリブ

原曲は1632小節の短いものを多く利用。そのメロディは、各自思い思い

の解釈で、変えながら演奏(フェイク)することも多く、その後、曲のコード進行

だけを利用して、即興でメロディを作っていく(=アドリブ=インプロビゼーション)

最も即興演奏が発達した音楽と言えるだろう。小編成ではメンバーほぼ全員に

ソロパート(一人一人がアドリブを行う時間)あり。

 

アドリブはノリが優先され、速いフレーズも多いが、特にバラードは歌心豊か

に。歌でのアドリブは、「シャバドゥバ」など擬音風の言葉(スキャット)でリズミカル

に行う。

 

◆リズム  

ほとんど一定のテンポで軽やかにゆれる=Swing。チーン・チーキ・チーン・

チーキというシンバルの音(シンバルレガート)が特徴的。裏拍にもアクセント

が多く独特のノリ。

テンポの幅はひろく120240を中心に45-320くらいまで。初期は2beat

から4beat中心。後にロックやボサノバの8beat,16beatも取り入れるが、

ジャズ=4beatのイメージあり。

 

◆ハーモニー:

C, Amといったコードネームを使用。初期は単純だったが、多くのピアニスト

等により、クラシックからの引用も増え、多彩な和音が使われる。

現在は「テンション」と呼ばれる、複雑だがおしゃれな響きを加えていくことが多い。

 

◆音色 

1人1人とても違う。ちょっと艶っぽかったり、わざと濁らせたりすることも多い。

 

◆演奏の編成

歌+楽器、or楽器のみ。

時に民族楽器、タップダンスが加わったり、他の芸術とのコラボレーションもある。

 

◆演奏の形態

決まったメンバーでの「ライブ」。集まった人たちで即興的に行う「セッション」が

ある。 ジャズでは、自分の個性を存分に発揮したい。それとともに、共演者も

充分尊重したい。

 

◆バンド編成:

ジャズの演奏は、ほとんどがバンドで行われるがピアノはソロも多い。

 

ソロ、デュオ、トリオ、カルテット、クインテット、セクテット、セプテット、オクテット

〜ビックバンド   

 

コンボ:10人まで。固定メンバーのこともあるが、日替わりメンバーであることも多い。

演奏は、一人一人にスポットをあてアドリブを聴かせるが、他者の反応も楽しみ。

 

ビックバンド:11〜16人。固定メンバー。

よく練ったアレンジの楽しさや、大人数の迫力が魅力。アドリブもある。

 

 

◆アレンジ:

ビックバンドでは凝ったアレンジがされるが、コンボ(小編成)ではしないことも。

 

◆曲の進行 

「セッション」では、初顔合わせのことも多いので、おおよそ決まった流れで

行われる。

 

イントロ → テーマ(メロディ+伴奏) → ソロ(一人ずつアドリブ+伴奏) 

→ ドラムソロか4バース(ドラムと他の楽器で4小節ずつ交互にアドリブ) 

→ テーマ(メロディ+伴奏) → エンディング

 

上記のメロディは、ボーカルや管楽器が行う。このパート(ボーカルや管楽器)

を「フロント」と呼ぶ。

伴奏は、ドラム、ベース、ピアノ、ギターが行う。このパート(楽器)を「リズム隊」

と呼ぶ。フロントがいなければ、ピアノやギターがメロディを演奏する。

 

◆楽器:

管楽器・打楽器など軍楽隊のものを譲り受けて使い始めた。ドラムの発明、

ギターの進化トランペット、トロンボーン、サックス、ピアノ、ベース(かつては

アコースティック、今はエレクトリックも)、ドラム、エレクトリック・ギター(初期は

バンジョー)、フルート、クラリネット、バイオリン、ビブラフォンなど使いたければ

何でも。管楽器やピアノはクラシックのものと同じもの。

バンドでは、ベースが非常に重要な存在。

 

◆楽譜、教則本

:コンボはアドリブ中心なので、メロディとコードだけが書かれた「リードシート

(=コード譜) (Cメロ譜)」で演奏することが多い。ビックバンドは、皆で揃える

ので、譜面になっているところが多い。

アドリブはその名の通り即興。譜面と即興の割合は様々。

各楽器とも教則本や、コード進行に関する理論書、また、アドリブの練習のため、

有名ミュージシャンのCDのアドリブパートを譜面にしたものも多数出回っている。

ピアノはクラシック出身者が多いので楽譜が非常に多い。ギターは楽譜より、

教則DVDが多い。

なお、譜面や教則本をお店で買うなら大きな楽器店で。

 

◆演奏場所: 

現在はライブハウス、ジャズクラブ中心。客席20100。お酒とセットのイメージ。

演奏時間の例:19:0023:00を中心に、 60分×2。40分×3 など 

金額の例:チャージ3000円+2ドリンク1400円+α   

幅があるので事前チェック&余裕を持って

    

毎日違ったミュージシャンが出る店が多い。逆に言うと、ミュージシャンは、毎日

違った人と、違った場所で演奏することが多い。

固定のこともある。(お店専属のバンド=箱バン) 

お店が小さいので、ミュージシャンと直接会話できることも多い。

 

◆ジャズ喫茶:

ジャズのレコードやCDを、自慢のオーディオで大きな音で流している。

リクエストにも応えてくれるところが多い。ただし私語禁止の所もあり、

お客さんは静か。

 

◆ジャズのCD,レコード

小さなレコード会社が多いし、さらに私家版、海賊版もあるマニアックな世界。

何千枚とコレクションし、高級なオーディオとオーディオルームを所有している

人も。

 

◆ファンクラブ 

あまりないが、「追っかけ」をしたり、様々なサポートをする方もいる。

 

◆レッスン  

教室、学校などでミュージシャンがレッスンしているが、アドリブの指導は

なかなか難しい。

 

 

<ジャズの歴史>

 

19世紀、黒人霊歌や、労働歌を歌っていた黒人たちが徐々に楽器を手にし

「ラグタイム」が誕生。

おそらく田舎ではブルースも歌われていただろう。19世紀末、アメリカの

貿易港で様々な人種がいて、様々な音楽もあったニューオリンズでは、白人

達の軍楽隊の楽器を譲り受けた黒人達が、様々な音楽を取り入れながら、後

に「ジャズ」と呼ばれる楽しい音楽を生み出した。その後も、ミュージカル

ソング、クラシック、ラテン音楽など、様々な音楽から影響を受けながら世

界各地にひろまる。

また、リズム、メロディ、ハーモニー、音色、いずれも新しいものへの挑戦

が続けられている。

 

 

<ジャズとブルース>

 

いずれも黒人から生まれた音楽だが、その流れの方向が違うようだ。

ジャズ:黒人の他、白人はじめ、色々な人種の人に演奏され、色々な音楽を

吸収しつつ発展・拡散。

ブルース:黒人中心(だけではないが)に演奏され、ブルース→R&B→ソウル

→ファンク→ヒップホップと進み、より黒人にしかできない方向へ。

発展とともに常に原点回帰を意識しているかのよう。

 

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◆◆◆ 2 ジャズピアノってクラッシックやポピュラーと何が違うの? ◆◆◆

 

では、クラシックや、ポピュラー、ロックのピアノと比較しながらお話しましょう。

 

クラシック = 演奏

 

譜面どおり弾く。

譜面から作曲者の意図を読み取り、それを再現する。

譜面および作曲者の意図から逸脱しない範囲での個性なら発揮できる。

 

*ポピュラーピアノ = 演奏   または   編曲 + 演奏

 

譜面どおり弾く。

・作曲者はピアノ譜を残していないことが多く、編曲者が書いた譜面を弾く。

・映画音楽にしろ、バンド演奏にしろ、オリジナル演奏があるので、それを

 もとに、また、コード譜があるときは、それをもとに、自分で簡単な伴奏を

 つけたり、編曲(伴奏、かざりなどをつける)したりして、演奏する。

 

*ロックやポップスのピアノ、キーボード = 演奏 または 編曲+演奏(+作曲)

 

・コピー曲(他のバンド等で作られ演奏されている曲)のとき

 オリジナル演奏があるので、譜面があるにしろ、無いにしろ、それをまねする。

・オリジナル曲(自分たちで作った曲)

 自分でどう弾くかアレンジを考えて、練習して弾く。

 その場で作りながらということはあまりない。

 

・コピーでもオリジナルでも、間奏の部分だけ、ピアノやキーボードが主役に

 なることもあり、その部分は前もって用意したメロディを弾いても、その場で

 作って弾いてもOK.

 

 

 〜では、ジャズピアノの場合はどうか〜

 

*ジャズピアノ = 作曲 + 編曲 + 演奏

 

これを瞬時にやります。瞬時にやる、というところがポイント。

つまり、瞬時に作曲(&編曲)しながら、一度の練習もなしに、瞬時に演奏を

行うという、とても高度なことをやっているのです。

音楽に必要なあらゆる能力、感覚、技術が必要とされるともいえますし、

個性、能力を存分に発揮できるともいえます。

    

なので、ジャズピアノをやっているというと、なんでも弾ける、何でもできると

思われてしまうほどです。

「何でもその場で」となるとさすがに困ってしまうでしょうが、ジャズはもちろん

ラテン、ロック、クラシックその他、どれも結構弾けるというジャズピアニストも

多くいます。

 

さて作曲というからには、自分で作るということになりますが、全てその場で

作るということは少なく、通常、ある曲をもとに、おおよそそれに沿った形で

進めていきます。

それでも「アドリブ(即興演奏)」の部分が多くて、弾く人によっては、とても

同じ曲とは思えないほど変わりますし、部分的に聴けば、すっかり違う曲に

なっています。

譜面には、32小節程度のメロディにコード・ネームがつけてあるだけで、

どの曲も、そのまま弾いたら1分程度で終わってしまう曲ばかり。

「コード・ネーム(和音を表す記号)」を頼りに、その場で(アドリブで)メロディを

作りながら、曲を5分にも10分にも膨らましていきます。

  

ですから、ジャズピアノの練習というのは、瞬間的にメロディを作って演奏

できるようにするということが中心になります。これは作曲の練習をしている

ようなものですから、ジャズピアニストはみんな作曲ができるんですよ。

 

 

・演奏だけにする。

 

しかし、これではほとんどの人にとっては、あまりにも難しいことですね。

ですから、すでに作曲・編曲された形で「ジャズ風」の楽譜が売られています。

毎日必死でアドリブの訓練をしたりはできないけれど、ちょっと弾いてみたい

という場合、これらの楽譜を利用すれば、作曲・編曲の部分をやらなくて済み

ますし、プロが作曲・編曲部分を担当してくれているわけですから、かなり

お手軽に、好きな曲をかっこよく(?)演奏することができます。

大手音楽教室の「大人のためのピアノ教室」のポピュラーピアノコースなどは

こういった内容ではないかと思います。

 

 

・編曲+演奏にする。

 

コードを覚え、その使い方を学ぶと、「編曲(アレンジ)」の部分もできます。

「作曲(アドリブ)」の部分を省いたわけです。

ジャズのバンドやセッションをやるにはまだ足りませんが、ジャズ的思考へ

の第一歩といえるでしょう。自分で考える楽しさ、難しさが少し味わえると

思います。

初心者に対応したジャズピアノ教室ならこのあたりからレッスンをしてもら

えるでしょう。自分から希望しても良いと思います。

 

「コード」とは和音のことで、ジャズ独自に発展した部分もありますが、基本は

クラシックでもポップスでも、同じような音を使っています。ですから、アドリブは

ともかく、「コード」やコード進行を勉強すれば、ジャズ、ポップスやクラシックの

曲、その他世界中のさまざまな音楽について、とても理解しやすくなります。

コードについては、初心者向けの教則本がたくさんでています。別項の教材

紹介の項でも、いくつか紹介してありますので、興味が湧いたら勉強してみま

せんか。

 

 

<スウィング>

 

ジャズのもう一つの大きな特徴として「スウィング」と呼ばれる、ゆれるような、

はずむような、独特のノリがあります。これまた日本人の体には不自然で、

会得するのが非常に難しいものなのですが、にもかかわらず、日本人にも

気持ちが良いと感じてしまうので、ミュージシャンはみんなこれを体にしみ

こませるため、日夜努力をしているのです。

 

この「アドリブ」と「スウィング」がジャズの大きな特徴です。でも文字で読ん

でもよくわかりませんよね、是非色々聴いてみて下さい。

 

ちなみに、使う楽器は同じです。「ジャズピアノ」というタイプのピアノはあり

ません()

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